スクワットを行う場合、股関節主体の動きを意識することが大事と前回書きましたが、
実際に
“股関節主体の良い動きとは?”
今まで股関節を使うことは大事だとあなたも一度は耳にしたことはあるかもしれませんが、
“股関節を使っている感覚とは?”
今一つピンと来ないかもしれません。
トップ選手は意識しなくとも自然と出来ているのですが、壁にぶつかっている選手で、よりスピーディーに、より力強く動きたいと思っている場合でも、自分の身体で当てはめるのが最初はなかなか難しいようです。
今までレスリング選手だけでなく、コンタクトスポーツであるラグビー選手やアメフト選手にも、レスリング技術や動き作りのトレーニングを指導した経験がありますが、最初から意識的に使って動ける選手はほとんどいません。
しかし、最初は意識できなくとも良い動きを正しいトレーニングで身体に覚えさせ、競技動作に当てはめていくことを繰り返せば、どんどん動きは良くなっていきますし、身体能力が劣っているということを単なる “素質の差” というもので片付けずに済み、パフォーマンスを大きく伸ばすことができます。
では、今回のテーマである股関節の良い動きとは?
ズバリ
“お尻をいかに使えるか?”
です。
例えば、スタンドレスリングの状態で
●重心を落として構えを安定させた時も、膝周辺ではなくお尻の筋肉を意識して使ってるか?
●お尻からエネルギーを発揮し、太腿から脛、足先に伝えて動けているか?
●グレコローマンの選手が差し合い、押し合いで前に出る時に、大腿四頭筋ではなくお尻の筋肉で押す感覚を持てるか?
●相手を持ち上げる時にお尻からパワーを生み出しているか?
しっかりと股関節(お尻)を意識的に使いましょう!
しかし、膝周辺や腰の怪我が多く、動きがスムーズでない選手は膝周辺の筋肉を主体とした動きになってしまっています。
スタンドで構えた時でも、膝周辺の筋肉に力が入っていたり、動き出す時大腿四頭筋を強く使っていることが多いです。
でも良い動き、スピードのある動き、大きなパワーが発揮されるためには、根幹部分からエネルギーを発揮して末端にスムーズに伝えなくてはなりません。
下半身の根幹部分はもちろんお尻であり、股関節周辺の筋肉です。
したがって“お尻をいかに使うか?”が重要になってきますが、お尻を意識し、正しく使うためにはまず骨盤を立ち上げることが必要になってきます。
骨盤を立ち上げるというのは、外国人のように“ポンと突き出たお尻”のように、自然にお尻自体が上がっている状態にすることです。
いわゆる出っ尻のようになりますが、こうなると股関節(骨盤周辺)主体の良い動きが可能となります。
そのためには股関節主体の骨盤を立ち上げた動作で、お尻を意識的に使うことがパワフルなうごき、スピードのある動きにつながります。
日本人選手は生まれつき骨盤(お尻)が下がっている人が多いですが、スピードを競う陸上の100mなどの世界のトップ選手の肉体やフォームを見ると、骨盤の立ち上がりと股関節の動きが瞬発力、パワーに直結するのは明らかですね。
日本人選手でも競技に関わらずトップアスリートはこの傾向が強いですし、レスリングのトップ選手も同様に良い股関節の動きをしています。
仮に今、良い動き、早い動き、パワフルな動きができない選手も、決して“素質の差” とあきらめる必要はありません。
なぜならこういう私も最初はめちゃくちゃお尻が下がって、股関節が使えずパワフルな良い動きとは程遠かったですから。
●技のスピードや瞬発力が上がる!
●構えが安定し、動きやすくなる!
●相手を持ち上げやすくなる!
●膝・腰の怪我が少なくなる!
と、いいことづくめなので
“お尻で押せるか?”
“お尻を意識して動けるか?”
今一度見つめ直してみましょう。
股関節の動きを良いスクワット動作で覚えこませて、構え、タックル、フットワーク、押し合いなど実際の競技動作に繋げると動きが格段に変わり、パフォーマンスが大きく伸びますよ。
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