“小指一本さえ相手の脚に引っかかれば必ず倒せる!”
タックルの名手が口にする言葉です。
タックルでテークダウンするためには、両足にしろ片足にしろまずは相手の脚を自分の腕で引き付けることが必要ですが、引き付けの際に小指を意識して使うと、相手の腿にしっかり胸がついてテークダウンの処理が容易になります。
キャリアの浅い選手やまだ筋肉量の少ないキッズ選手にとってはなかなか難しいところもありますが、小指を意識して引き付けると広背筋や肩甲骨周辺の筋肉をしっかり使えるので、引き付けのパワーを最大限発揮させるために覚えなくてはならない動きです。
もちろん引き付けだけでは相手の身体を倒せないので、自分の脚から生み出す「押し倒す、引き倒す、持ち上げる、捻る」などの動きを使わなければなりませんが、小指がちゃんと使えてると相手の脚がロックされ、非常に力が伝わりやすくなります。
しかし小指を使わないで引きつけようとすると、脇が空き、潰されたり返されたりしやすくなるばかりでなく、胸が前に出ないので脚から生み出されるパワーが伝わりません。
レスリングに限らず組み技格闘技において、上半身の引き付けというのはとても大切ですが、あくまで脚から生み出される全身のパワーを相手に伝えるためのものです。
したがって引き付けの力を良い動きで高めることは、ポイントを取るために非常に重要です。
小指の効かせた引き付け動作は、懸垂やロープ登りを行う際にも意識すると断然効果が違ってきます。
懸垂も順手で広めにバーを握り、小指を意識的に使って広背筋にテンションをかけ、肩甲骨から力を生み出し背中の筋肉を大きく使って、胸からみぞおちにかけての部分に引き付けます。
この際、胸を突き出すように引き付けると効果的ですし、背中の広がりや厚みが増して引き付けのパワーがめちゃくちゃアップします。
ロープ登りでも小指を意識して胸を出すように引き付けると効果的で、続けていくとスイスイと登れるようになるし、実戦に生かしやすくなります。
このように引き付けの筋力トレーニングでしっかり筋肉を意識的に使い、実戦練習でさらに小指を意識していくと、引き付けがどんどん強くなっていきますよ。
両足タックル、ハイクラッチタックル、片足タックル、ガブリ技、ローリング、全ての引き付けにおいて小指を意識し、トレーニングと合わせて強烈な引き付けにしていくことがパフォーマンスアップに有効です!
コメントを残す