前回はキッズ選手の筋トレの必要性について、書きましたが、今回はこれに矛盾する永遠のテーマ。
“子供の時に筋トレすると背は伸びなくなるのか!?”
について書きたいと思います。
まず、筋トレをすると背が伸びなくなるというネガティブなイメージを生み出す要因として
“成長期に筋肉がつくと骨の成長が妨げられるんじゃないか?”
という懸念材料がありますよね。
これについてですが、そもそも身長を伸ばすためには遺伝的な要因もありますが、後天的な要因として思春期との関わり方が大切です。
人間誰もが思春期に入ると身体が大きく成長し、思春期が終わるとほとんど身長の伸びが止まってしまいます。
これは誰もが経験することなのでお分かりですよね。
この思春期に人によっては1年間に10㎝ぐらい伸びる子もいるし、身体が大きく成長し大人の身体へと変化します。
したがって、身長を伸ばすためには、
“思春期に入るまでにいかに伸ばしておくか?”
また、
“思春期の間に出来るだけ伸ばすか?”
が重要だと言われています。
身長が伸びなくなるという説の主な原因として、要するにこれらの時期に筋肉をつけてしまうと、思ったように伸びないんじゃないか?というもの。
それを後押しするのが、小学高学年で筋肉質の子がその後あまり身長が伸びなくなってしまうという事例です。
私も今までの人生でそのような子をたくさん見てきましたが、特に成長が早い子は最初はクラスの中でも背が高い方だけど、最終的に他の子にどんどん抜かれていってしまうというもの。
そういう昔から身近にあることが、都市伝説的に広がって
「筋肉をつけると身長が伸びない!筋トレはしない方が良い!」
というイメージが作りあげられてしまいましたね。
でも実際は、筋肉がついたから背が伸びなかったというわけではなく
“単にその子の思春期が来るのが早かった!”
ということなんです。
人間思春期に入ると大人の身体に変わって行くので、筋肉も当然つきやすくなります。
その時期に何かスポーツをしていたら自然と筋肉質の身体になります。
そういった子は他の子より目立つし、あたかも筋肉がついたから背が伸びなかったと思われがちですが、思春期が早く来てしまうと当然終わるのも早いんです。
その後はあまり伸びないから、このような説が出来上がってきたと考えられます。
そもそも思春期に入る前は身体の組成は遅筋線維が多いし、筋トレしても大人のようにマッチョ体型には絶対なりません。
ですので、筋トレがうんぬんよりも、思春期に入る前に出来るだけ身長を伸ばすことと、思春期に出来るだけ伸ばすことが重要です。
そのためには、この身長を伸ばすために大事な思春期に入る前と、入ってからの貴重な時期に必要な栄養と睡眠時間をしっかり確保することが必要です。
必要な栄養素は身体を作るタンパク質、骨を作るカルシウム、マグネシウム、ビタミンD、亜鉛等。
もちろん、エネルギーとなる炭水化物やビタミン類も大事です。
あお、睡眠時間は幼年期から思春期が終わるまでは、9時間半ぐらいは必要だと言われています。
私も振り返ると、思ったように背が伸びなかったのは、思春期に睡眠時間が足りなかったなと感じます。
したがって子供の健全な成長、身体能力の向上に正しいトレーニングは非常に効果的だし、身長の伸びには全く関係ありません。
キッズ選手と言えども将来を見据えて、しっかり栄養、睡眠を確保しながら筋トレは段階的に取り組んで行きたいですね。
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